研究内容総括
- 小規模事業者持続化補助金とは
- 活用事例
小規模事業者持続化補助金とは
概要
- 小規模事業者が行う販路開拓や生産性向上の取り組みに要する費用の一部を支援する制度
- 補助率 :2/3 あるいは 3/4 金額:100万円(本体枠) + 50万円(事業再開枠)
- 使用目的:販路開拓(チラシ、POP、ホームページ、展示会・見本市 etc)、生産性向上(新商品開発、商品陳列棚、ネット販売システム 、専門家指導・助言etc)
目的
- 小規模企業の持続的成長の支援
- 経営計画を自分で書く! → 経営をもっと知ってもらう
いつから開始
平成24年補正予算を経て平成25年から開始、今年で8年目
スキームと事業実施の流れ
持続化補助金の採択実績
補助金でよく使われている経費
- 広報費(ホームページ、チラシ、看板、Web広告、展示会費用など)
- 機械装置等費(冷蔵庫、調理器具、キッチンカー、カメラ等の機材など)
- 外注費(内装工事費用)
- 開発費(新商品開発のための部材【食材、布、紙など】)
具体的な利用ケース
支援した会社の採択要因
- 卓越した地域密着力
- 答えをすでに持っている
- こだわり力
- 常に危機感を持ち、課題を探している
- 機会を活用する意識が強い
- 実施策がイメージしやすい
- 独自性の高い事業領域
- 社会性、クラウドファンディングがキャッチー
- 申請書に図や市場データを多用し、丁寧に説明
Webマーケティングの視点から
持続化補助金の使い方
まずはHPを設置する、という小規模事業者が顕著
HPをつくるのはよいものの・・・Webマーケティングに取り組む姿勢のある小規模企業は少ない→補助対象期間をリスティング広告に充てるのが精いっぱい
SEOとリスティングの違い
支援企業のWEB活用における問題点
- HPは創業時に作成したままで、WEBやSNSの活用はほとんどできていなかった。
- 既存HP掲載写真が古く、料理の魅力や特徴が伝わらない
- HP改修に使用する素材写真を持っていない
- クラウドファンディングで効率的に投資者をあつめるためには、自社会員数の増加が必須であるが、最近伸び悩んでいる
- Facebook、Instagram、メールマガジンなどのSNS活用はしているが、SEO対策などは未実施。
- アクセスデータの活用も専属人材がおらず不十分
- コンテンツ更新が数か月に一度のため改善中
WEB活用における問題が発生する原因
- ノウハウ、知識をもった社内人材がいない
- 外部にも相談相手がいない
- かかるコストや効果への理解度が低い
持続化補助金等の活用時の注意点
- 申請から補助金入金までに時間がかかる(立替のための手元資金が必要)
- 実績報告に必要な証憑書類の管理が大変(100万円以上は相見積もり必須)
- 補助金でできることは限られる
- その他の補助金も検討(事業再構築補助金・IT導入補助金・ものづくり補助金)
持続化補助金のあるべき姿
- 経営を見直すきっかけづくり
- 診断士や支援機関は、事業者とともにステップしていく(伴奏型支援)
- 支援者は歯医者さんのような存在であるべき(1回の手術で全て治癒しない)
まとめ
補助金獲得が目的になっていないか
- お金が大事、だけれども補助事業を遂行し、経営の安定化を図ることが本来の目的
- 補助金獲得は手段の1つにすぎない
- 銀行借り入れ、クラウドファンディングも資金調達手段の代替手段
IT導入支援のニーズが高い
- 中小企業の支援可能なIT系コンサルタント、ITベンダーが少ない
- できる人、できる企業が少ない
- 補助事業だからこそチャレンジできる。持続化補助金はIT投資のチャンス