今回の発表は「WEB屋の生態とビジネスモデル」です。WEB屋(WEB制作会社やWEBマーケティング会社)の生態および、WEB制作会社のビジネスモデルなどをまとめています。

本日の発表内容

 1.WEB屋の生態

 2.WEB屋のビジネスモデル

 3.WEB屋をどう選ぶべき?

1.WEB屋の生態

ホームページ開設状況の推移

総務省の令和元年「通信利用動向調査報告書(企業編)」によれば、従業員規模100名以上の会社では全体で89.7%がホームページを開設しています。ホームページの保有率は高いものの、ホームページを開設している企業=ホームページを上手く活用している企業ではなさそうです。

WEBサイトでできること

1990年代中期のインターネット普及と共に、ホームページを開設する企業も増加しました。当時は「企業を知ってもらうこと」がホームページ(=コーポレートサイト)開設の一番の目的でしたが、現在はWEBサイトでできることが増えたため、その目的はより複雑化・細分化しています。

WEB関連企業数

Baseconnect株式会社が提供している法人向け営業データベースサービス「Musubu」での調査結果です(2022年07月23日時点)。企業数の多さもさることながら業界も分散しており、自社のニーズに沿った業者選びが重要になっています。

WEB関連会社の種類

WEB関連会社は主にどのような会社があるのか、各社のおおまかな「強み・弱み」をまとめています。

2.WEB屋のビジネスモデル

続いては、WEB屋のビジネスモデルを見ていきます。といっても難しいことは無く、大きくは2つに分かれます。

一つ目はWEBサイトやページなどを製作/構築した対価として「製作費」をもらい受ける、フロー型のビジネスになります。WEBサイトを立ち上げる時以外でも、日々の運用の中で情報を追加したり、新しい情報に更新したりと、都度かかる費用になります。

二つ目はWEBサイトの管理/運用に必要な作業の対価として「管理費/運用費」などをもらい受ける、ストック型のビジネスになります。例えばサイトの監視やセキュリティの更新などの管理上で必要な対応や、アクセス解析やSEO対策など運用上で必要な対応などがあります。

ビジネスモデルにおけるポイントは?

では、ビジネスモデルにおけるポイントを整理すると、以下の3点があると考えます。

  1. 作る(フロー型)だけでは儲からない
  2. 切替費用(スイッチコスト)が低い
  3. 情報の非対称性がある

「1.」から見ていくと、従業員規模100名以上のホームページ開設率が89.7%とあり、新規サイトは1社につき何個も構築するものではありません。WEBの重要性は増しているので、情報の追加や更新などで一定の需要は維持できると思いますが、どこかで頭打ちになると考えられます。
ですので、ストック型のビジネスをどの程度確保することが出来るかで、売上/収益の安定性が変わってきます。

「2.」は、サイトの製作あっても管理/運用であっても、使用しているサーバなどが一般的なものであれば、業者を切り替えるコストはそこまで大きくはなりません。WEBサイトでの資産はサイト内のコンテンツとして残っていますので、切替によるリスクもそこまで大きいものではありません。

「3.」は、IT業界は聞きなれないカタカナや横文字が多く、また技術の進歩も早いので、専門家でないのにこれらについていくのは、なかなか大変です。しかもIT業界とコンサル業界はやたらとカタカナや横文字を使うことを好むので、顧客がちゃんと理解しようと思っても難しい状況があると思います。

この3点の特徴から、WEB屋としては自社ようにカスタムを行うなど、他社へのスイッチコストを高めつつ、フロー型のビジネスを増やせるように仕組みを構築している会社も、増えてきていると思います。

あるべきビジネスモデルとは?

基本的に、ビジネスは顧客が喜んでいるのであれば、周りがやり方や方向をとやかく言うことではないと思っています。しかし情報の非対称性が高い業界では、売り手(WEB屋)の都合が優先されることがあり、その結果に顧客満足とは程遠い結果になっていることもあります。

WEBは、手に取れる有形物と違い価値を感じ辛い点があるので、私の関わった企業様でもあまり好ましくない仕組みが構築されていたり、ボッタクられたと言っていたりと、あまりいい経験をされていないこともあります。

ビジネス環境が厳しくなっているなかで、様々な企業努力を行った末の結果だと思いますが、同じ業界にいる身としては「顧客の未来のためになっているのか?」の観点で、ビジネスモデルが構築されることを願っていますし、未来に寄り添ってもらえるWEB屋を選んでいく必要があるのかもしれません。

3.WEB屋をどう選ぶべき?

WEB制作会社の選定方法

まず、KGI/KPIを設定し、RFP(提案依頼書)を作成するのが定石のようですが、そもそも中小企業にはハードルが高いのでは?当初から第三者のサポートを受けつつ、必要最低限の確認事項は自社で行う+悪質な業者を回避するための最低限の知識は付けることが現実的なライン。

◆ 必要最低限の確認事項(見積前に必ず確認)
  • 目的:誰に何をしてほしいサイトか?
  • 予算:●●円以内等(できるだけ安くはNG!)
  • 納期:●月●日までに公開等
◆ Webサイト制作のトラブルと対策

出典:ホームページ制作のよくあるトラブルとその対策【事例別に紹介】 | Web幹事 (web-kanji.com)

トラブル

  • 契約(リース契約/契約解除/著作権・所有権)
  • 品質(デザイン/修正対応)
  • 支払(追加請求)

対策

  • 自社でサーバーとドメインを用意する(制作会社を切り替える際のトラブル回避)
  • 契約を確認する
  • 作業範囲を決める

第三者支援・相談窓口

無料の第三支援・相談窓口です。支援テーマにも「ITの活用」があり、専門家を紹介してもらえます。

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